書は何を以って芸術と成りうるのだろうか?《後編》

2021.9.16 玉筍会研究会第1回 講師 玉筍庵 純陽子

 

『東坡論書』福永光司『芸術論集』より

蘇軾(1036~1101)北宋時代の人、蘇東坡ともいう。

代表作 黄州寒食詩巻

蘇東坡は生命の躍動を芸術の第一義的な価値とみる。

 

人間の生命を構成する要素として神氣骨肉血の五者とした。

書。必有神氣骨肉血有り。

五者、一を闕ければ成書と為さざるなり。

 

形而上世界(形をもっていないもの)

1 神 精神

2 氣 気力・生気・人間のエネルギー

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形而上の世界(形を備えているもの)

3 骨 線の中心を通る

4 肉 線の細太 筋肉質

5 血 透明でさらさらと流れる